「内務省委託本」調査レポート

千代田図書館「内務省委託本」研究会の調査研究により明らかになった新事実について、様々な切り口から報告する、調査レポートを発行しています。タイトルをクリックするとPDFファイルが開きます。また、1号から16号をまとめた総集編の館内配布を行っています。

naimushou_report16第16号:ある検閲官の肖像 ―内山鋳之吉の場合― 2017年3月発行

報告:安野一之氏

内務省委託本に数多く見られる「内山」の印を残した検閲官・内山鋳之吉は、検閲主任も務めるなど出版検閲の現場で長く実務を担った人物です。東京帝大文学部での交友関係、劇団「心座」での活動、企画院や日配における出版統制、湘南学園との関わりなど、彼の仕事と人生について辿ります。

 

naimushou_report15第15号:〈文学のわかる〉検閲官 ―佐伯慎一(郁郎)について― 2017年3月発行

報告:村山龍氏

検閲官・佐伯慎一には、詩人・佐伯郁郎という名前もありました。学生時代から継続している文学活動と並行して出版検閲の現場で勤務していた佐伯とは、どのような人物であったのか。図書課に採用された経緯、文藝懇話会、児童読物改善運動との関わりなど、彼の仕事と人生について辿ります。

 

naimushou_report14第14号:「御宸筆」と検閲 ―高橋義雄『箒のあと』をめぐって― 2016年10月発行

報告:新井正人氏

「皇室の尊厳を冒瀆する事項」は「安寧秩序を紊乱するもの」の筆頭として、特に厳密な取締が要求される対象でした。本書に遺された「参考」の印と検閲官のコメントを通して天皇直筆の文書である宸筆[しんぴつ]を掲載した出版物が、出版検閲においてどのような扱いを受けていたのかを考察します。

 

naimushou_report_13第13号:検閲本の行方―内務省鍛錬会と検閲本― 2016年3月発行

報告:安野一之氏

出版検閲が行われていた約70年の間、内務省には検閲のための本が納本され続けました。使用済みの検閲本は、市立図書館での活用(内務省委託本)のほかは、内務省の書庫に死蔵されていたと考えられてきましたが、このたび、新たに見つかった検閲本の活用事例を報告します。

 

naimushou_report_12第12号:ひとりの検閲官の素顔―安田新井の日記から― 2016年3月発行
報告:牧義之氏

近年、出版検閲の制度面については実態が徐々に明らかになってきた一方で、個々の検閲官に関しては資料が少なく、調査がほとんで進んでいません。そのような中、検閲事務に携わっていた人物の日記が発見されました。本号では、彼が内務省でどのような働きをして、どのような生活を送っていたのかを、日記から拾い出して報告します。

 

naimushou_report_11第11号:田中香涯と検閲の問題―発禁になった本、ならなかった本― 2015年2月発行
報告:新井正人氏

田中香涯は、医学校教員などの傍ら医学系の雑誌や書籍を多数刊行しましたが、その中で性研究をテーマとしたものは発売禁止処分を受けることが多々ありました。田中の著作のうち、発禁になった本とならなかった本を比較して、戦前の出版検閲の基準と運用の事例を紹介します。

 

naimushou_report_10第10号:安田徳太郎著『社会診察録』の検閲をめぐって 2014年12月発行
報告:浅岡邦雄氏

検閲官のコメントの文字数が多い本として注目を集めてきた『社会診察録』。問題となった箇所、内閲(内務省への事前の相談)、微かな検閲の痕跡(検閲官がのこした独特の折り目跡)などについて紹介します。

 

 

naimushou_report_9第9号:コレクション整備の記録(2006~2013年度)2014年3月発行
報告:河合郁子(千代田図書館職員)

人びとから忘れられて閉架書庫に点在していた戦前発行書籍約2300冊が、内務省委託本として注目され今日に至るまでの8年間に何があったのか。図書館の担当者が、整理状況と内部の事情について時系列に沿ってまとめました。

 

 

naimushou_report_8第8号:写真から読み解く、天皇を巡る検閲 2014年3月発行
報告:安野一之氏

戦前の出版検閲における最大のタブーは天皇に関するものでした。検閲官達が細心の注意を払っていたことをうかがわせる事例を取り上げ、戦前の天皇を巡る検閲がどのようなものだったのか報告します。

 

 

naimushou_report_07第7号:『国民医術天真法』と肥田春充 2014年2月発行
報告:尾崎名律子氏

『国民医術天真法』には「附録」として国政論が収録されており、多数の傍線が遺されています。国政論の著者は誰なのか? なぜ、健康法の本に国政論が収録されたのか?検閲官は、国政論のどこを気にして傍線を引いたのか? 奇妙な本の謎に迫ります。

 

naimnushou_report06第6号:内務省発行『図書日報』と納本事務 2013年3月発行
報告:牧 義之氏

納本事務の一端をうかがい知ることができる貴重な資料が、千代田図書館でみつかりました。『図書日報』と題された記録簿について紹介し、「永久保存」に仕分けられた図書の割合について考察します。

 

第5号:医学書の検閲 2013年2月発行
報告:新井正人氏

医学書には、性器の図説や妊娠・性欲等に関する文章が記載されたものもありますが、これらは「風俗壊乱」に抵触したのか、しなかったのか。検閲の基準である「一般標準」と「特殊標準」の運用実態を垣間見ることができる医学書を紹介します。

 

第4号:寳來正芳『探偵常識』 2012年9月発行
報告:村山龍氏

陸軍憲兵の経歴を持つ寳來が執筆した『探偵常識』には、犯罪捜査のノウハウが具体的に記されています。「証人及び参考人の尋問法」「現場指紋現出法」「伝書鳩の飼育と訓練法」「隠語の構成定型」などの章から、本文に見られる傍線(検閲官による赤鉛筆)箇所を紹介します。

 

naimushogepou003第3号:石上欣哉『女優情史』のことなど 2012年8月発行
報告:尾崎名津子氏

女優達の半生記が書かれた『女優情史』。恋愛や婚姻など秘められた異性愛のエピソードには、「風俗壊乱にふれる可能性のあるもの」として検閲官のチェックが入りました。検閲をギリギリのところで通過した表現の事例として、本文に見られる傍線(検閲官による赤鉛筆)箇所を紹介します。

 

第2号:高橋是清『随想録』 2012年6月発行
報告:安野一之氏

二・二六事件で暗殺された政治家・高橋是清の遺作となった『随想録』には、検閲官の肉声が伝わる異色のコメントや傍線が遺されています。検閲官は具体的にどのように検閲したのか、残された傍線を手がかりに考察します。

 

 

naimushogepou001第1号:「内務省委託本」調査余滴 2012年5月発行
報告:安野一之氏

千代田・京橋・深川の3館で「内務省委託本」の抽出調査を行った研究者が、
調査の具体的な方法や薄暗い閉架書庫の様子について、報告します。

 

 

『千代田図書館蔵「内務省委託本」調査レポート総集編』2017年3月発行

naimushou_report1-162011年度~2016年度に発行された、第1号~第16号をまとめた冊子です。千代田図書館9階で配布のほか、ご希望の方には送付します。

郵送方法:ご自身の住所・氏名を記入した返信用封筒(A4サイズの冊子が入るもの)に、切手(300円分)を貼付し、下記までご送付ください。
宛先:〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1 千代田図書館 企画担当