株式会社 精興社

『活版印刷技術調査報告書 青梅市文化財総合調査報告 改訂版』
(青梅市教育委員会、2004年8月)

会社名

株式会社 精興社

社史名

『活版印刷技術調査報告書 青梅市文化財総合調査報告 改訂版』

   配架場所:千代田図書館 「出版にまつわる本棚」
   資料番号:1080026857    請求記号:出版業/749.4

社史紹介

【会社紹介】

   博文館印刷(現在の共同印刷)で会計係をしていた白井赫太郎が、大正2年(1913)神田区美土代町に前身となる東京活版所を創業する。大正14年(1925)社名を精興社と変更し、昭和21年(1946)本社を青梅に移転する。
   大正11年頃、岩波茂雄と出逢った白井赫太郎は岩波書店の書物の印刷を受注するようになる。このとき以来の岩波茂雄との信頼関係が精興社の品質向上のきっかけとなった。
   昭和7年(1932)青梅に「精華堂」という植字組版工場をつくり、翌年の昭和8年(1933)に「精華学舎」という従業員の教育施設を設けた。地元青梅の学校を卒業した人材を採用し、白井の「スピリット」を引き継ぐ、良質な仕事の出来る優秀な印刷人を育成した。
   昭和5年(1930)白井赫太郎は活字彫刻師の君塚樹石氏に依頼し、細く整った明朝体の「精興社書体」を作り上げた。一度使った活字は再度利用しない「活字の一回使用」で印刷むらや汚れをなくし、美しい印刷紙面の作成に努めた。これらの技術は精興社の優れた特色である。精興社の印刷の美しさは本の作者や読者からの評価も高い。
   活版印刷が終了した現在では電算写植に「精興社書体」は引き継がれ、コンピュータ上で使われている。

【社史紹介】

   青梅市教育委員会が発行した精興社の活版印刷の記録である。青梅市の教育委員会が市の文化財の記録のため、平成9年(1997)より明星大学の森啓教授に「精興社の活版印刷技術」の調査と研究を委託し、その成果をまとめ平成14年(2002)に刊行された『活版印刷技術調査報告書』に用語解説と組見本を補遺として加え改訂版として出版された。2002年度版は第24回日本出版学会賞特別賞を受賞している。精興社における活版印刷は平成7年(1995)に終了していたが、この調査のために再現された。鋳造、文選、植字、紙型、鉛版、印刷の活版印刷の6つの工程の解説に加え、精興社の歴史や業績などが記される。第4章「精興社スピリット」、第5章の「精興社の人々」では高い品質の印刷物を生み出す、そこで働く人々の技術や仕事に対する誠実さがわかる。

内容注記

【印刷】
株式会社 精興社
【図版】
本文中に、青梅工場、道具、作業風景、精興社が印刷した書物の見開き写真やイラスト多数。
東京活版所を創立した大正2年から白井赫太郎が亡くなった昭和40年までの精興社書目一覧。
精興社書体―ベントン母型(君塚ひらがな、カタカナ、正字)。
補遺として『日本古典文学大系』の組版面と「活版印刷用語解説」を収録。

目次

関連文献

参考リンク