としょかんのこしょてん VOL.4 近代日本の国語辞書・外国語辞書

近代日本の国語辞書・外国語辞書

8月1日(水)から開催の第4回目は「近代日本の国語辞書・外国語辞書」と題し、日本書房よりお借りした様々な辞書を展示いたします。

江戸時代の蘭日辞典や明治時代に作られた国語辞典の祖、日本で最初の和英辞典など20点を展示・販売(仲介)をいたします。

この機会にぜひご覧ください。

「本の街」神田神保町 オフィシャルサイト BOOK TOWN じんぼうでも紹介されています。

としょかんのこしょてん VOL.4 ◆◆◆近代日本の国語辞書・外国語辞書◆◆◆

期間 2007年8月1日(水)~9月2日(日)
場所 千代田図書館9階 出張古書店コーナー
協力 日本書房
お問い合わせ 千代田図書館 03-5211-4289・4290

普段の生活において辞書の恩恵を受けたことは数え切れない。また、知識欲を満たすときにも必要不可欠である。辞書を編纂した方々に足を向けて眠れない心持になる。辞書をつくることを想像したとき、膨大な原稿用紙の量や推敲に推敲を重ねる努力が見えてくる。編纂の労苦や辛酸を思い浮かべながら、辞書の版面を眺めていると、思わず熱いものがグッとこみ上げてきそうになる。『言海』の跋文の「ことばのうみのおくがき」、『大漢和辞典』の序文などは、薄っぺらな小説より涙をさそう名文である。 幕末から明治にかけて日本は急速に諸外国の文化を受け入れ発展してきた。文明の象徴でもある辞書の製作には心血を注ぎ、近代化を速やかに行ってきた。そのような時期の弊店所蔵の辞書類を、今回千代田図書館のスペースをお借りして、展示させていただくこととなりました。どうぞご笑覧ください。

【出品予定】

[和蘭字彙] 桂川甫周 安政2年(1855年)~安政5年(1858年) 19冊 ¥1,500,000
江戸時代に刊行された最大の蘭日辞典。
長崎のオランダ商館長ズーフがF・ハルマの『蘭仏辞典』をもとに蘭日辞典を編纂。これを「長崎ハルマ」と俗に言う。刊行が実現できずに長く写し伝えられたものを将軍の侍医桂川が『和蘭字彙』として刊行した。

[大正増補和訳英辞林] 前田正毅・高橋良昭 明治4年(1871年) 1冊 ¥100,000
前掲の『英和対訳袖珍辞書』を継承したものである。薩摩の学生が洋行費の獲得のために版行したといわれる故、俗に「薩摩辞書」として知られている。展示書は明治四年の再版で、ウェブスター式の発音標記を用いている。

[和英語林集成] 第二版 ヘボン 明治5年 (1872年) 1冊 ¥180,000
『和英語林集成』は日本で最初の和英辞典。
編者であるヘボンは、ヘボン式ローマ字の創始者。幕末に宣教医として来日し、この偉業を成し遂げた。展示書は第二版。

[英米対話捷径] 中浜万次郎 安政6年(1859年) 1冊 非売品
アメリカで生活した中浜万次郎が編纂した辞書。耳から入った米語の発音によって記述した日本人による最初の実用英会話辞書。

[和英商売対話集] 安政6年(1859年) 1冊 非売品
同じく実用の英会話辞書であり、木活字で印行された書物。オランダ通詞であり、近代活字印刷の祖といわれている本木昌造の作とされている。

[えんぎりしことば] 清水卯三郎編 万延元年 (1860年) 1冊 ¥800,000
商人の手による実用英会話辞書。清水卯三郎は浅草にて瑞穂屋商店を経営し、西洋の物品の輸入販売に努めた。

[仏語明要] 村上英俊 元治元年 (1864年) 4冊 ¥250,000
日本で最初の本格的仏和辞書。

[言海 大型版] 大槻文彦 明治34年(1901年)61版 1冊 ¥30,000
明治における一般的な国語辞書の祖。
文部省の命により大槻文彦が編集に従事。明治8年に作業を開始し、明治19年に浄書を終えたが刊行に至らなかった。明治21年、大槻は倉庫にあった原稿の下げ渡しを受けて、自費で分冊刊行する。その後、様々な形で刊行される。展示書は1冊本の大型・中型・小型である。

[日本大辞書] 山田美妙 明治25年(1892年) 11冊 ¥150,000
『言海』と並んで近代的な意味での国語辞書の最初のもの。
言文一致論者としての山田美妙が口語体、アクセントに留意して作った辞書。

[ことばの泉] 落合直文 明治31年(1898年) 5冊¥50,000
前掲『言海』『日本大辞書』『ことばのその』が少人数の編集による個性的なものに対して、大人数で編纂した辞書。与謝野鉄幹も名を連ねている。

など

※出品内容は予告なく変更になることがございます

 

 

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