としょかんのこしょてん VOL.21 むかしの落語本 ―明治・大正・昭和戦前

むかしの落語本 ―明治・大正・昭和戦前

2月2日(月)から開催の第21回目は「むかしの落語本-明治・大正・昭和戦前-」と題し、主に寄席演芸・大衆文化に関する書物を扱う古書店「いにしえ文庫」より、明治から戦前までの落語本26点を展示・販売(仲介)いたします。

江戸の木版小咄本の時代から、現代はDVDブックに至るまで、発行され続けてきた落語本の歴史をご覧ください。

「本の街」神田神保町 オフィシャルサイトBOOK TOWN じんぼうでも紹介されています。

としょかんのこしょてん VOL.21
 ◆◆◆むかしの落語本-明治・大正・昭和戦前-◆◆◆

期間 2009年2月2日(月)~3月1日(日)
場所 千代田図書館9階 出張古書店コーナー
担当 いにしえ文庫
お問い合わせ 千代田図書館 03-5211-4289・4290

落語本は江戸の木版小咄本の時代から、現代のDVDブックに至るまで、途切れることなく発行されてきました。

活字落語本の中で速記術を応用した落語速記本は、明治17年に発行された三遊亭円朝「怪談牡丹灯篭」を第一号として、明治大正期のものだけでも620冊ほど出ています。
高座で聴くのと同じ調子の言文一致で活字化された速記本は、手軽な娯楽本として大変もてはやされ、テレビやラジオもない時代、暗いランプの下で落語速記本を読んで寄席に行ったつもりで夜長を過ごしたのでしょう。
落語速記本は各社から続々出版され、特に三芳屋書店は出版に力を入れた版元として有名です。
落語雑誌も「百花園」をはじめ、上方の「はなし」や「百千鳥」など何種類かあります。
昭和に入ると既成速記の再録物の落語全集が多くなりますが、新作落語で人気のあった柳家金語楼や柳家権太楼の本は新鮮さが受け入れられました。
また、戦時下には慰問袋用の落語集が戦地へ送られました。
落語速記本は名人上手の落語家の演出を知るだけでなく、言葉の変遷や昔の世相風俗を研究する上でも有益な文化史資料として活用できます。

戦前の落語研究や芸談集は正岡容の著作に優れたものが多いのですが、今回は「三遊一朝老人」など非売本の資料を中心に展示致します。

【出品リスト】

明治期ボール表紙の落語速記本
「粟田口霑笛竹」三遊亭圓朝 明治21年 金桜堂
「流の暁」英人ブラック(快楽亭ブラック) 明治24年 三友舎
「時雨の笠森」 春錦亭柳櫻 明治22年 大川屋

明治の爆笑王・初代三遊亭圓遊の落語速記本
「湯屋番」 三遊亭圓遊 明治27年 三友舎
「明治の地獄」 三遊亭圓遊 明治28年 大川屋
「圓遊落語集」 三遊亭圓遊 明治32年 三新堂

明治の新作落語集
「二十世紀新落語」 松陽堂・盛花堂 明治38年
「新作落ばなし」 春江堂 明治38年
「新作落語」 岡本偉業館 明治36年

三芳屋本
「廓ばなし小せん十八番」 初代柳家小せん 三芳屋書店 大正13年
「米国みやげ馬生落語集」金原亭馬生(四代目古今亭志ん生) 三芳屋書店 大正6年
「笑福亭松鶴落語集」 四代目笑福亭松鶴 三芳屋書店 昭和4年

昭和の爆笑王・金語楼と権太楼の新作落語集
「山下一等兵」 柳家金語楼 昭和12年
「隣組の奥さん」柳家金語楼 昭和16年
「新作お伽落語・子供の時間」柳家権太楼 昭和16年

慰問袋用落語集のいろいろ
「笑の伝令お好み新落語集」丸山東光堂 昭和16年堂
「面白い名人揃落語選集第二集」富文館書店 昭和13年
「誌上演芸・慰問版」演芸慰問文芸社 昭和17年

戦前の落語研究書と資料
「話術新論-一名講談落語の論」土子金四郎 哲学書院 明治22年
「江戸の落語」関根黙庵 服部書店 明治38年
「三遊一朝老人」倉片寛一 私家版 昭和5年
「五代目圓生仏」私家版 昭和5年

落語雑誌のいろいろ
「百花園」七十七号 金蘭社 明治22年
「はなし」葉月の巻 田中書店 明治41年
「江戸の趣味」三号 江戸の趣味社 大正11年
「落語道場」創刊号 咄と人の会 昭和8年

◆出品リストは予告なく変更になる場合があります。

 

 

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