としょかんのこしょてんVOL.47 書物のいろいろ

 千代田図書館内の一角に設けられた、神田古書店連盟との連携展示・出張古書店コーナー「としょかんのこしょてん VOL.47」のご案内です。
 4月27日(水)まで、「書物のいろいろ」と題し、和本・仏書・書道などを扱う臥遊堂より、様々な装丁の本や多様な内容の珍本27点を展示・販売(仲介)いたします。時代によって変化してきた書物のカタチをご覧ください。

 「本の街」神田神保町 オフィシャルサイトBOOK TOWN じんぼうでも紹介されています。

としょかんのこしょてん VOL .47 書物のいろいろ

会期 4月1日(金)~4月27日(水)
場所 千代田図書館9階 出張古書店コーナー
担当 臥遊堂
お問い合わせ 千代田図書館 03-5211-4289・4290

 日本に伝わる書物には古くから様々なかたちがあり、内容も多くのジャンルがあります。 古来紙が発明されるまで、書物とは中国では木や竹の札でできた木簡・竹簡を紐でくくり、巻いたものでした。それが紙にかわり、後に我が国の巻子本(いわゆる巻物)へとつながります。一方、椰子の葉などを用いた古代インドの貝葉は一枚一枚めくる書物のかたちの源となり、これを何枚も重ねて紐を通し、表紙を付けたものが後に折帖(帖装に同じ)や冊子本へとつながりました。冊子本にも、糊でつけた糊葉装と糸でつづった綴葉装があり、江戸期の和綴じ本へと続きます。
 その江戸期は当初、仏教書・漢籍・王朝文学の複製など、いわゆる「ものの本」に出版が限られていました。しかし18世紀以降、庶民の識字率が上がり、金銭的なゆとりが生まれると、書物は一挙に多様化し、雅から俗へと移り変わります。遊里文学がその代表的な例です。一方、中国・朝鮮の文化は江戸三百年を通じて憧れの対象でした。 本展示では、全部で27点の様々な装丁の本ならびに多様な内容の珍本を紹介します。百聞は一見にしかず、まだ見ぬ書物の世界をどうぞご覧ください。
(正しさよりわかりやすさを優先しました。正しくは配布の解説をお読みください。)

出品リスト

詩経・既酔篇十二片のうち 竹牒 池無名印ほか 江戸期 非売
奈留旦版写経・般若波羅蜜多讃偈 貝葉 チベット語 1731 120,000円
写経コーラン 総革装 書写時期不明 120,000円
大般若波羅蜜多経巻第二十五 帖装 平安末期写 240,000円
金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経品一市 興然写 糊葉装 高雄寂静坊印 平安・安元2年 380,000円
仁王経二冊 興然写 糊葉装 高雄寂静坊印(書印) 平安末期 480,000円
三宝院伝法灌頂私記 北野寿命院清如印 巻子本 南北朝写 800,000円
東寺百合文書 八幡宮心経五十巻転読奉唱 年預五師実専 南北朝・貞治3年 500,000円
薄双紙二重薄 太山府君・愛染明王ほか 報恩院僧正寛済写 糊葉装 寛永14年 80,000円
詠歌之大概 綴葉装 吉田澄蔵印 江戸前期写 60,000円
堪忍骨董嚢図説 独行山人述 帖装
田舎版
文化8年刊 80,000円
実名入役者枕絵本(仮題) 西川祐信派 京都 横本 江戸中期 120,000円
一目千軒 嶋原細見遊女評判記 松井英男旧蔵印 横本 無刊期
(宝暦7年)
160,000円
澪標 大阪新町細見遊女評判記 横本 寛政10年刊 100,000円
春情色廼姿見 上巻 浪花恋々山人述 横本 刊期不明(幕末) 40,000円
春臠拆甲 樫田安房守 半紙本 明和5年刊 非売
北斎翁道之志遠里 葛飾北斎画 横本 文久2年刊 160,000円
版木 白糸くどき鈴木主水 中本 文久頃 20,000円
紀伝明経ヲコト点図 80,000円
稿本 鳳鶏紀事 塙忠宝 温故堂文庫印 文久2年 360,000円
写本 ぜずすきりしとの秘跡(仮題) 石黒敬七蔵印 江戸後期 非売
写本 聖イナシヨほか天主教殉教者列伝と主日の福音(仮題) 石黒敬七蔵印 江戸後期 非売
METHODE DE LECTURE MM. LAMOTTE他
開成所 黒船館印
明治2年刊 120,000円
百美新詠図伝一巻・新詠一巻・集詠一巻 全二冊 唐本 清・嘉慶10年跋刊 160,000円
印香閣印譜四冊 趙錫綬刻 唐本 清・嘉慶8年
・18年刊
320,000円
松灘集 鄭弘緒 奇正鎮序・孫煥弼跋
朝鮮本
明・崇禎4年刊 240,000円
詩韻摘要 豆本 折本 清・乾隆7年
後印本
40,000円

※出品内容は予告なく変更になる場合があります。

   

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