戦前の出版検閲を語る資料展「検閲の基準 ―発禁になった本、ならなかった本―」

戦前の出版検閲を語る資料展「検閲の基準 ―発禁になった本、ならなかった本―」

 戦前の日本では、内務省があらゆる出版物の検閲を行っていました。検閲にあたっては、「安寧秩序紊乱」と「風俗壊乱」という二つの大きな柱があり、それぞれに検閲の基準が設けられていました。この基準は曖昧さを含んだものであり、実務レベルではこれに拠りながらも、出版物の目的や読者層、その時機の社会情勢なども考慮しながら、検閲官が一冊一冊判断していました。  この展示では、検閲の基準と、さまざまな要因によって判断が揺れ動いた事例をパネルで紹介します。また、千代田図書館蔵「内務省委託本」をはじめとする検閲の実態を窺うことができる貴重な本や資料を展示します。

会期 2012年12月24日(月)~2013年3月17日(日)
会場 千代田図書館 9階 展示ウォール
監修 浅岡邦雄氏(中京大学文学部教授)
協力 国立国会図書館、東京大学総合図書館、明治大学図書館、
安野一之氏(国際日本文化研究センター共同研究員)、
牧義之氏(日本学術振興会特別研究員)、
新井正人氏(慶応義塾大学大学院生)
問い合わせ先 千代田図書館 03-5211-4289・4290

関連ミニ展示「奥付と検閲と著作権」のお知らせ

 本の最後に付されている奥付には、発行年月日、著者名、発行者名、発行者の住所、印刷製本所名、ISBNなどが列記されています。江戸時代の和本に発祥し、明治26年からは出版法によって記載が義務付けられていた奥付。その目的は時代によって異なりますが、いずれも出版にまつわる法律や本に関わる人びとの権利と深く関わっていました。出版検閲との関係や、版権や印税の契約など奥付から読み取ることができる情報について、時代を追って解説します。

会期 2012年12月24日(月)~2013年3月17日(日)
会場 千代田図書館9階 セカンドオフィスゾーン内ミニ展示コーナー
協力 浅岡邦雄氏(中京大学文学部教授)
問合せ先 千代田図書館 電話5211-4289

 

展示関連講演会のお知らせ

展示関連講演会「奥付 ―誰が何のために―」
展示関連講演会「出版検閲と伏字記号 ○○××......1234」
展示関連講演会「出版検閲研究の最前線」

プレスリリースはコチラ