3階エレベーターホール展示
1階特別展「荒俣宏の大大マンガラクタ館」関連図書展示
「荒俣宏の描いた帝都・東京」

3階エレベーターホール展示
1階特別展「荒俣宏の大大マンガラクタ館」関連図書展示
「荒俣宏の描いた帝都・東京」

日比谷図書文化館では1階で特別展「荒俣宏の大大マンガラクタ館」を開催中です。その関連図書展示を「荒俣宏の描いた帝都・東京」として3階で行っています。特別展をもっと楽しむためにも、もうひとつのアラマタ展としてぜひ合わせてお楽しみください。


【第一部】 『帝都物語』を蔵書から読み解く「荒俣宏の描いた帝都・東京」メインパネル

荒俣宏の代表作『帝都物語』の世界観を日比谷図書文化館の蔵書から読み解きます。登場人物紹介のほか、作中で描かれている明治から昭和にかけて移り変わる帝都・東京に注目し、コロナ禍に都市はどうあるべきか、都市のありかたを考えます。

【第二部】 日比谷de二宮金次郎@帝都物語

『帝都物語』から昭和2年(1927)の日比谷が舞台となった「銅像を運ぶ人」の章に焦点をあて、銅像、すなわち、二宮金次郎像に注目します。昭和2年の日比谷はどうだったのか?荒俣氏が路上博物学や図像学的に関心を寄せた金次郎像を『帝都物語』になぜ登場させたのか?さらに、なぜ、金次郎像をみんな知っているのか?その謎に迫ります。

展示では、薪を背負う金次郎像の初出とされる幸田露伴著『二宮尊徳翁』(1892・当館所蔵)をはじめ、この企画のために、荒俣氏が日比谷で二宮金次郎に扮したその様子や、背負っていただいた日比谷公園産のタキギと《背負子》も並びます。また全国の小学校に見られた金次郎像の嚆矢は明治43年(1910)に岡崎雪声が作り、明治天皇が買い上げたものですが、その岡崎が日比谷公園の鶴の噴水の作者であるといったつながりも紹介します。

さらに、金次郎像が連想させる《ながら》から令和の時代に広がる《副業》や、《背負子》から未来の《運ぶ》を考えていきます。

【第三部】 荒俣宏のアタマの中

第三部では、博物学・神秘学・小説・翻訳など多岐にわたり活動する荒俣宏をつくった本、荒俣宏がつくった本を紹介していきます。1階特別展の日比谷オリジナル「稀書自慢」に並ぶ荒俣氏が最初に購入したファースト・レアブック入手のひみつも紹介。荒俣氏の愛書家としての魅力もぜひご覧ください。

基本情報

会期

2020年10月16(金曜日)~2020年12月25日(金曜日)

開催場所

日比谷図書文化館

会場

3階 エレベーターホール・ガラスケース

協力

公益財団法人 利用運送振興会 物流博物館、公益財団法人 東京都公園協会 日比谷公園、株式会社平凡社、Uber Eats Japan合同会社、東京都下水道局、千代田区教育委員会

本展の見どころ

【第一部】 『帝都物語』を蔵書から読み解く

「登場人物:加藤保憲、渋沢栄一、幸田露伴、寺田寅彦ほか」
「平将門と将門首塚、陰陽師と陰陽五行、風水と竜脈」
「物語の時代背景:帝都改造計画、構想都市と地下都市、震災後の復興計画」
「コロナ禍に都市はどうあるべきか これからの都市のあり方」
「映像化された『帝都物語』」
「風水で見る江戸のデザイン」(ガラスケース)

【第二部】 日比谷de二宮金次郎@帝都物語

「荒俣宏はなぜ『帝都物語』を書いたのか?なぜ二宮金次郎像を登場させたのか?」
「昭和二年の日比谷を歩く《壁読み体験》『帝都物語』から「銅像を運ぶ人」」
「路上博物学のススメ」

「二宮金次郎をなぜみんな知っているのか?」
「二宮金次郎像の観察ポイント」
「二宮金次郎の視覚化・銅像化のキーパーソン幸田露伴」 
『二宮尊徳翁』幸田露伴、博文館、1892(当館所蔵)

「博物学と百科事典 荒俣宏と龍脈」下中弘、2017
「荒俣宏30歳、初めての著書『別世界通信』に載せたブックリスト180冊」
「荒俣流《ながら》のススメ」
「コロナで副業拡大に勢い」

「アラマタ先生の日比谷de二宮金次郎」
「アラマタ先生の背負った《背負子》」(物流博物館所蔵)
「コロナ禍に社会現象を運んだ 公式 Uber Eats 配達用バッグ」
「《運ぶ》の未来形って?」
「ドローン」

『関東大震火災絵巻 震災前・後の巻』石川真琴、有稲館、1913(千代田区教育委員会所蔵・展示品は複製)
「千代田区じまん 関東大震災 町を守りぬいた人々」
「和泉町ポンプ所」ほか

【第三部】 荒俣宏のアタマの中

「荒俣宏の愛書家人生 人生ファースト・レアブックのひみつ」
「この人なくば……新田満夫、バーナード・クォリッチ、サザビーズ」荒俣宏、2017
「段ボールは、のぞくもの」「段ボールの歴史」
「荒俣宏オタカラ祝儀袋のひみつ」ほか

「荒俣宏の描いた帝都・東京」メインパネル
「第一部 『帝都物語』を蔵書で読み解く」 展示の様子 『帝都物語』のはじまりはこの小さな文芸誌「月刊小説王」の連載、角川書店、1983-84、当館所蔵
「第二部 日比谷de二宮金次郎@『帝都物語』」 展示の様子 『帝都物語』から昭和2年の日比谷が舞台の「銅像を運ぶ人」を壁読みしながら旅する聖地巡礼二番札所
二宮金次郎に扮する荒俣宏氏 日比谷公園産のタキギを背負い、自ら執筆・編集した百科事典を読む荒俣氏は『世界大百科事典』の編集助手をしながら『帝都物語』を書きました
『二宮尊徳翁』幸田露伴、博文館、明治25年(1892)、当館所蔵 二宮金次郎の初めての視覚化とされる図
「第三部 荒俣宏のアタマの中」 展示の様子 荒俣宏をつくった本と荒俣宏がつくった本が並びます

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