日本独自の出版文化である児童雑誌「学年誌」。1922(大正11)年に初めて学年別学習雑誌として『小學五年生』と『小學六年生』が創刊されました。その発行部数が最も多かった1950年代から70年代にかけて表紙画を手がけたのが洋画家・玉井力三です。玉井は流行や世相を反映した姿の男の子と女の子が笑顔で表紙を飾るスタイルの完成形を築きました。描かれた子どもたちの生き生きとした表情や時代の象徴に彩られた表紙全体からは、あの頃の日本の元気さを感じ取ることができます。
本展では、玉井力三の表紙画を中心に、学年誌の100年を追いかけます。出版文化を担ってきたここ千代田区で、児童雑誌というメディアを通じて、子どもたちを取り巻いてきた文化の追体験をお楽しみください。
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開催概要
- 会期:2022年9月16日(金曜日)~11月15日(火曜日)
<休館日>9月19日(月曜日・祝日)、10月17日(月曜日) - 開室時間:月曜日~木曜日 午前10時~午後7時、金曜日 午前10時~午後8時、土曜日 午前10時~午後7時、日曜日・祝日 午前10時~午後5時(入室は閉室の30分前まで)
- 会場:千代田区立日比谷図書文化館 1階 特別展示室
- 観覧料:一般300円、大学・高校生200円(千代田区民・中学生以下、障害者手帳などをお持ちの方および付き添いの方1名は無料)※住所が確認できるもの、学生証、障害者手帳などをお持ちください。
主催:千代田区立日比谷図書文化館
特別協力:小学館
協力:(一財)日本児童教育振興財団
玉井力三応援団団長:山下裕二
アクセス
展示構成
●表紙で振り返る「学年誌」の100年史
1922(大正11)年、初めて学年別学習雑誌として『小學五年生』『小學六年生』が創刊され、小学館が創業しました。学年別学習雑誌「学年誌」は他の国にはない、日本独自の出版文化です。「学年誌」とは何であるのか、誕生からの100年をどのように歩んできたのか、そして現在の私たちの文化にどのようにつながっているのかを、象徴的なビジュアルである表紙から振り返ります。また競合各社の学年誌や歴史的資料も併せて展示します。
●表紙画家 玉井力三
1950年代から70年代にかけて表紙画を手がけた洋画家、玉井力三。学年誌の表紙画を最も多くの雑誌で、最も数多く描き続け、その数は1500点にもなります。表紙の素材として描かれた絵でありながら、中村不折に師事した正確なデッサンとリアルな描写力で、一枚の絵画作品としても味わえる独特の魅力を放ちます。
●みんな遊んだ、懐かしの付録たち
学年誌に毎号付いてくる付録。これを楽しみに買い求めた子どもたちも多いと思います。時代とともにどのような付録が子どもたちに楽しまれていたのでしょうか。付録から児童文化の変遷を見ていきます。小学館にアーカイブされている過去の全付録から、選りすぐりの付録を実際に組み立ててご紹介します。
玉井 力三(たまい・りきぞう)
1908年新潟県柿崎村(現・上越市柿崎区)生まれ。1928年より「太平洋画会」にて中村不折に師事。同会講師を経て、満州国新京美術院助教授。戦後は洋画家として「示現会」に所属。人物画を得意とし、小学館などの学習雑誌で25年にわたって表紙画を描き続けた。
関連講座
商業美術家の逆襲―玉井力三の場合
学年誌の表紙画を25年描き続けてきた画家・玉井力三の魅力に迫ります。
日時:9月23日(金曜日・祝日)午後2時~午後3時30分(午後1時30分開場)
講師:山下裕二(美術史家、明治学院大学教授)
表紙と付録で振り返る学年別学習雑誌の100年
小学館の学年誌の元編集者が学年誌や児童文化の変遷をお話しします。
日時:10月22日(土曜日) 午後2時~午後3時30分(午後1時30分開場)
講師:野上暁(児童文学・文化評論家)
日比谷カレッジ「表紙と付録で振り返る学年別学習雑誌の100年」
《各回共通》
- 会場:日比谷図書文化館 地下1階 日比谷コンベンションホール(大ホール)
- 定員:各回200名(事前申し込み順、定員になり次第締切)
- 参加費:各回1000円(千代田区民は各回500円。住所が確認できるものをお持ちください。)
- お申込み方法:ホームページの申込みフォーム、電話(03-3502-3340)のいずれかにて①講座名、②お名前(ふりがな)、③電話番号をご連絡ください。
今後の新型コロナウイルス感染拡大状況により、変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。
ご来館の皆様へお願い | ・体調のすぐれない(発熱、咳、倦怠感など)場合は、ご来館をご遠慮ください。 ・ご入館の際は、手指の消毒、検温、マスク着用のご協力をお願いします。 |
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